祖母を見送ってから2日経った今日、両親と一緒に
入院するまでお世話になっていたホームに荷物を取りに行って来ました。
最初に出迎えてくださった女性の職員さんは
「(病院からここに)
戻ってきてほしかったです…」と涙ぐんでくれました。
こういうお仕事をされていたら、こういう別れは何度も経験されているだろうに
祖母のために泣いてくれるなんて。と思ったら、私まで泣けてきてしまいました。
男性の職員さんも、
「○○さんは(入所者さんの中では、体調が)お元気なほうだったから
戻ってこられると思っていたのに。残念です」と惜しんでくれました。
祖母の部屋は、私が最後に訪ねた4月と同じ状態のままでした。
ハンガーに、私が3/31の88歳の誕生日に贈ったカーディガンがかかっていました。
すごく喜んで着てくれたけど、あれから何回着たのかな…写真撮ればよかったな。
ゆったりめのカーディガンなので、私が引き取ることにしました。(今着ています。)
他の入所者さんたちは祖母のことを知らされていないのか、
知らされたとしても忘れていらっしゃるからか、
荷物を運びに廊下を往復する私達の姿を
きょとんと眺めておられる方もいました。
いつもホームに訪ねていくと、祖母が「
孫です」と私を紹介して
その度に居住まいを正して「
はじめまして」とおっしゃってくださっていた
隣の部屋のおばあさまもお元気そうでした。よかった。
みなさん大きなテーブルに集まって「
月の砂漠」などの歌を歌っていました。
いつもの和やかな、癒される光景です。でも祖母だけがいない。
おばあさま方には敢えて話しかけませんでしたが、
いつまでもお元気でいてほしいなあ…と思いながらホームを後にしました。
ここの職員さんたちには感謝してもしきれません。
プロの手を借りられるという運に恵まれたことによって、
私たち家族は祖母と
新しい関係を築くことができたと思うからです。
そしてそれは前向きな、いい関係だったとはっきり言えます。
祖母自身も、最初はさすがに戸惑っていたものの
最終的にはあの場所が新しい
home sweet homeになったのではないでしょうか。
特に最後の1年くらい(去年の夏肺炎で入院して、退院後ホームに戻ってから)は、
会うたびに顔つきが穏やかになっていった気がします。
その陰には職員さんたちのそれはそれは多大なご尽力があったんだな、
と改めて強く思います。
このお仕事に就いていらっしゃる方々を改めて尊敬します。
祖母のいた部屋には、数日後には新しい方が入られるとのことです。
その方にとっても、あの場所がhome sweet homeになりますように。
そしてご家族が新しいいい関係をその方と築いていかれますように。